建築工房 富澤

大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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「依頼主の御要望に合わせて、どんな仕事でもこなす」ことを基本としています。
が、できれば、こうした仕事をしていきたい、そんな施工サイドのわがままな希望です。

 

構造

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「渡り腮工法」といわれる、木の特性を十分に生かす構造体の組み方を基本に据えています。

具体的には、「込栓」や「クサビ」などによって梁や柱を緊結し、壁面には貫を通したうえに、予算に応じて土や板、合板などによって耐力を得るというものです。

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建物を永く維持していく場合、構造体を頻繁にチェックしていくことは不可欠であり、柱や梁などが露出された仕上げはとても有効です。

現在、通常に行われている「在来工法」では、材木同志を緊結している接合金物類の使用は不可避であり、それを見せぬために柱や梁の多くが覆い隠されています。

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人それぞれの哲学、美学がありますので、強制はできませんが、私はできることなら、構造体は覆い隠さず見せたい、しかし金物はできれば見せたくはない、そして使うにしても必要最小限としたい(決して耐力レベルを下げるという意味ではなく)というスタンスですので、それらを満たす最も合理的な「渡り腮工法」を選択しています。

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素材

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できる限り、無垢の木や、塗り壁といったものの使用を心がけています。
毎日、じかに触れることになる床や壁がそうした素材であるというのはとても気持ちの良いものです。
それを数値化して比較するというのは、なかなか難しいことだとは思いますが、実際そうした環境で暮らしてみると明らかにその違いを体感することができます。

モデルハウスとして自宅を開放しておりますので、よろしければお気軽に体でお感じになりにお出かけください。

施工

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現在、建てられている木造住宅のそのほとんど(90%以上)の「刻み」工程が「プレカット」といって、大工の手ではなく、工場で機械加工されています。

加工そのものに機械を使うことは、問題はないと思いますが、「木拾い」「墨付け」という大工仕事の最も基本になる部分が、おろそかになってしまうのではないかと、私は考えています。

柱や梁といった構造材も含めそのすべてが見える建物の場合、どの材料どこに使うか(木拾い)、どのように組み見せていくか(墨付け)という作業は、最終的な仕上がりがイメージできなければこなすことはできません。

よって、最初から最後まで一貫して建物の全てを把握している人間(昔風にいうなら「棟梁」)の存在は不可欠であり、その目の配れる範囲で仕事を行うために、手刻みは必然になっています。

設計

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現在の日本の住宅が20~30年で建て替えられてしまっている理由の一つとして、世代交代の変化に対応できない間取りがあると考えています。

子供の成長、自身の高齢化など、将来を見据えた設計は、「家」を長く使い続ける重要な要素の一つといえます。

伝統的な住宅に見られる、いわゆる「田の字」型といわれる、襖などでのみ仕切られた間取りは、その意味ではフレキシブルで様々な変化に対応できるプランともいえ、だからこそ何世代にもわたって使い続けられてきたのでしょう。

耐震性、プライバシーの保持などを考えると、現在の住宅にそれをすべて取り入れることは難しいですが、できる限りそうした視点を考慮しプランニングしていくことは大切なことと考えています。

施工費用

零細な大工ですので、それを維持するための費用は大規模な組織に比べかかりません。

しかし、上記に掲げたような工法、施工を選択しているために木工事に関しては、他に比べ割高になってしまいます。

材料をお施主さん自ら支給していただく等、余分な経費を極力削減するなどの努力はしておりますが、それでもご予算に合わぬ場合、

  • 1)後から、施工のやり直しが困難な個所(基礎・構造本体など)は最優先とする。
  • 2)素材・器具のグレードなどは予算に応じて選択する。
  • 3)セルフビルドが可能ならば、それで対応する(塗装、壁塗りなど)。
  • 4)場合によっては、最後まで仕上げず、家族の成長に合わせて造りこんでいく。

などにより、予算内に収められるような施工を提案させていただくこともあります。

決して安い買い物ではありません。

2、3年で飽きたから買い替えられるようなモノではなく、場合によっては何世代にも亘って、手入れをしながらお付き合いしていかねばならぬのが「家」です。

また、そんな風に末永く愛着のもてる「家」を造っていきたいと考えています。

是非、目先のことだけにとらわれず、先々のことまで見つめて慎重に御検討ください。

公開日:   最終更新日:2016/09/19

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