建築工房 富澤

ブログ

これで十分?

  カテゴリー:伊那市 事務所兼自宅  タグ:


ここのところの寒波はこの冬一番の冷え込みをもたらしているようです。
我が家の外の寒暖計も-8℃を指しており、一昨日に降った雪が凍りつき路面はガチガチになっていました。

が、朝方の室温は16~18℃。
薪ストーブは熾きのみわずかに残っている状態でこれだけ室温が維持されているというのは、今までほとんど外気温近くまで下がってしまう家に暮らしていたものにとっては驚異的(?)なことに感じます。

我が家の仕様は、ペアガラス仕様サッシ、断熱材厚70mmの充填断熱と防水透湿紙、および15mm厚の杉板程度ですので、よく宣伝されているような高断熱仕様とはとてもいえません(気密性はそこそこ保たれてはいると思いますが・・・)。
それでもこれだけの性能があるのですから、メーカーなどが示す単なるデータ上の数字ではなく、実際に体感することはなによりも説得力のあることなのだろうと思います。

ここ伊那谷は基本的には太平洋側に近い気候。冬型もそれほどきつくならなければ、気温はともかく太陽の陽射しは真冬でもそこそこ確保することができます。
そうなればガラス越しの日射で、日中は暖房いらず。
これぞパッシブソーラーと、布団などかけずとも昼寝が楽しめます。

厳冬期にはまだ7~8℃ほど気温は下がってきますので、結論を出すのはまだ早いと思いますが、少なくとも今までの暮らしを思えば、何も文句はありません。

断熱にしても気密にしても単にそれだけの性能をアップしていくのならばいくらでも方法はあります。
が、外内部に使う素材、構造そしてなによりコストを考えるとどこかで妥協せざるを得なくなるのが現実です。

しかし、敢えて特殊な事をせずとも、現在自分が施工している仕様で十分そこそこの断熱気密性が保たれるということが確認できたということは、この冬のひとつの収獲です。

               

これまでのコメント

  • 伊那の大工(管理人) より:

    答えは・・・
    以前借りていた家は結露とはまったく無縁でした。
    そう、その原因となる壁面温度差や空気の滞留が無かったからなんですね。

    すきま風が吹きすさぶような住宅ならば100年以上の耐久性は実証済み。しかし、中で暮らす人間は過酷な環境を覚悟しなければならない。

    家をとるか人をとるのか。

    軟弱になってしまった現代人は、この相反する命題の答えを探し続けているわけなんですね。

    ところで押入の結露。
    断熱対策をしたのでしたら、普段は開放しておいた方が症状は改善されると思います。
    微弱な風を送り込んでやるのもgood。(お得意のPC冷却用のファンなどで)。
    是非試してみてください。

  • 2馬力の釣り師 より:

    Unknown
    押入れの結露がひどいので、借家ですがホームセンターで発泡スチロールとベニア板を買ってきて、正月に工事しました。

  • 伊那の大工(管理人) より:

    難しい・・・
    結局、どこにコストをかけるかという話なんでしょうね。
    しかし、おっしゃるように、木や塗り壁といった素材から受ける感覚というのは簡単に数値化できるものではありませんから・・・。
    そこはもう実際に体験してもらうしかないのが難しいところです。

  • 菅原 より:

    Unknown
    木の家でありつつ、必要最低限な機能をそなえ、過剰なスペックでは無くシンプルな素材に徹底した その場の環境に沿った控え目な存在感 私の思い描く自宅の理想形かも・・・ 凄い説得力のある記事だと感じましたよ~!
    木の家は数値以上の感性が求められるものです。この現代の生活の中から、どれだけそれに気づける人がいるのだろうか?と思った正月のひとときです。

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

これで十分? 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

Copyright©建築工房 富澤,2011 All Rights Reserved.