貴重なお茶の時間
カテゴリー:その他 タグ:
先日、区の役員の方から、お宮の幟を下げる竿が壊れてしまったので作り直してもらえないかと相談を受けました。
形状はなんとか同じものをつくりだすことはできそうだと見通しはついたのですが、問題は根本の丸穴。
直径65mm深さ500mmの丸穴を開けなければなりません。
壊れてしまった元々のものは、どうやら本体を二つ割にして削り出していたようなのですが、それにしても綺麗な円形にするのは至難の業。
やはり木口方向からホールソーのようなもので掘り込むのがベストではないだろうかと推察しました。
しかし、一般には500mmもの深さのホールソーは存在しません。
木工用ドリルも通常は500mmとなると最大径は30mm程度までが市販のサイズ。
しかもお値段はとてもお高い。
そんなボヤキを設備、電気、大工の各職人が一堂に会した、お茶の時間にしてみたところ・・・、
すると、それぞれのいままでの経験からこうすればなんとかなるのではないかというアイデアが出てくる出てくる・・・。
そんな中でから出てきた実現可能そうなアイデアは、
1.まずは15mm径の穴を先行してあける(これを直線的に開けるのも難しいのですが、やはりメンバーからいいアイデアでてきてこれを採用)。
2.その穴をガイドに我々が普段使っている「座掘りキリ」を利用して65mmの穴に広げていく。
というもの。
ただそのままだと「座掘りキリ」の深さしか穴を掘り込むことができません。
こちらを咥えられる柄の長いドリルチャックはないものかと、探していたところ・・・
ありました!
大見工業という会社の「ドリルチャック延長棒 DC450K」という製品です。
これでしたら延長したロッドの長さ分掘り進めることができます。
試してみるとこの通り。
晴れてこれで区の役員の方に仕事受注のお返事ができそうです。
そんなノンビリお茶して何してるんだか、と、とかく非効率の代表のように評される我々職人のお茶時間ですが、こうしてリラックスした場だからこそ出てくるアイデアも多々あります。
知恵を絞ってモノを作り上げていく、その引出しの中身を仕入れる貴重な時間でもあるのです。
コメントする