厳しい現実
カテゴリー:自然観察 タグ:
朝からやけに家の周りからスズメの鳴き声が聞こえてくるなと思っていたところ、ラジオ体操から帰ってきた子供たちが、子スズメを見つけて拾ってきました。
聞けば、ほとんど飛ぶこともできず、草むらの中で鳴いていたとのこと。
どうするか思案しましたが、とりあえず家の土間の中のコンテナに入れておく事にしました。
なにしろ我が家の周りは野良猫の溜まり場のようでして、色々な連中が始終出入りしているのです。そのままにしておけば彼らの餌食になってしまうのは目に見えています。
果たしてせめて飛べるようになるまで、飼うことができるのか、野鳥に詳しい知人に相談したところ、「可哀想なようだけど、居たところに戻すべき」との返事。
いわく「それは巣立ったヒナ。よくテレビ画像などで巣から飛び立つ姿が流されているが、あんなことはほとんどなく、『巣立ち=巣落ち』。ほとんどの場合、そこで骨折などして命を落とすか、飛べずに他の動物の餌になってしまう。その中の一部がなんとか生き延びられる。親も餌は与えにくるが、飛べるようになるまで成長できるのは、またその中のホンの一握り。拾った子スズメはそんなヤツだよ。」
確かに理屈はわかります。しかし、この状況で草むらに放置することはどうしてもできず、とりあえず一晩様子を見ようということになりました。
夕方には少し落ち着き、子供の手からアオムシなどを食べるまでになっていたのですが・・・
今朝、見てみると、うっすら目を開けたまま絶命していました。
果たして、私たちのとった行為はどうだったのか。一時の感情に流され、自然の摂理に反してしまったのではないか。気持ちの整理はつかぬまま、とりあえず、その亡骸は外の土間に放置しておくことにしました。
すると、すぐに野良猫がやってきて頭からかぶりつき、またたく間に脚だけになってしまいました。
やはりこの場合、順番は少し狂ったものの、命の鎖が繋がったと、理解するのが正解なのでしょうか。
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