こんな事はもう二度と・・・
カテゴリー:駒ヶ根市 S邸 タグ:
10月末の仕上がりに向け、佳境に入っている現場ですが、そんな時に限ってこんなミスを犯してしまうのです。
檜の大黒柱に絡めて冷蔵庫、食器棚が造り付けの設計となっているこの現場。
図面の通り、その天板の高さに墨をして刻み始めたわけですが、何かひっかかるものがあってもう一度、図面をひっくり返してみたところ・・・その高さの変更を指示した走り書きを発見・・・。そういえばメールでそんな連絡があって、とりあえず図面の隅に書いておいたっけ・・・。あぁもっとしっかり図面の全てを訂正しておけばよかった・・・。
体が凍りつきました。
この現場はすべてお施主さんの山から切り出した木を使った住宅。
特に大黒柱は、その中でも一番太かった檜から曳き出したもの。当然思い入れも深く、毎日のように眺めては気にいって下さっていたものなのです。
そんな大切なものを、傷つけてしまった。
よりによって一番目のつく正面に・・・。
どうしたって隠しようがありません。
さりとて、四方から梁の差さった大黒柱を取り替えることは今更不可能です。
仕方ありません、正直にお施主さんに話すことにしました。
その現場を見た瞬間は、さすがにショックの色は隠せない様子でしたが、すぐに「さあこれからどうしましょうか」と前向きに考えてくださいました。
こちらからの案としては2つ。
ひとつは埋木をして隠してしまう方法。しかし木目をそっくり合わせる事など不可能で、間違えてしまったことは明らかになってしまいます。
もう一つは、まったく同じ厚さの木を使って新たに小棚をつくってしまう方法。それを提案するやいなや「それっ!それでいきましょう」というありがたいお言葉。
あとは棚のデザインをお施主さんにお任せし、本日、無事取り付けることができました。
大切な大黒柱に本来でしたらないはずのモノができてしまった。
それを「とても良い記念になりますよ」といってくださったお施主さんの言葉には本当に救われました。
しかしこんなことはそうそう何度もあっては困ります。今後は念には念を入れ慎重にと肝に銘じた出来事でした。
これまでのコメント
Unknown
えぇしたくありません。
そんなミスをいかに減らすか・・・
特に気持ちに余裕がない時は・・・
永遠の課題です。
Unknown
子供の頃は、プロというのは失敗をしないものだと思っていましたが、大人になって分かったのは、プロは失敗を上手に誤魔化すという事でした。
しかし失敗なんて、しないにこした事はないんだけれどね。
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