樹の命をいただく
カテゴリー:伊那市 事務所兼自宅 タグ:
自宅の建築予定地は元々、雑木林だったため様々な種類の樹が生えています。
できるだけそれらは残しながら、建てるつもりだったのですが、春先の大風や大雪によって倒れる被害もあって、断腸の思いで、伐る決心をしました。
他人の現場の時は気軽に支障木として処理できるものなのですが、やはり自分のところとなると、なかなか割り切れぬ思いもあり、判断には迷いました。
特に幹回りが3mを超すコナラは、このあたりでもそう見られるものではなく、最後まで迷いました。
結局、余すことなく、用材として利用し尽くすということで自分を納得させ、踏み切ることに・・・(都合のいい解釈ですね)
30m近い高さもあるだけに、もし思い通りの方向に倒れてくれなければ、隣の家などひとたまりもありません。普段、伐採には手慣れているメンバーも、さすがには慎重にワイヤーを張ってテンションをかけながらの作業となりました。
チェンソーを入れ始めてしまえば、あっという間。スローモーションのように倒れていき、ズーンという地響きがあたり一面に響いたときは、この木が生きてきた歳月を思い、神妙な気持ちになりました。
年輪を数えてみると60余年。戦後から、この地区の、変遷を見続けてきた木だったわけです。
私にできることといえば、第二の人生(樹生?)を与えてやることくらい。
果たして、どんな形で生かすことができるのか。
責任は重大です。
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