現在進行形の仕事
カテゴリー:伊那市 事務所兼自宅 タグ:
木というのは、すべて素直にまっすぐ育っていてくれる訳ではなく、その立地条件によってクセをもった成長をしています。
特に、ここ上伊那周辺でも普通に見られる赤松はほとんど曲がっているといっても過言ではないでしょう。
昔はその曲がった特性を利用して、屋根の重みを支える重要な梁として重用されてきた訳ですが、最近のプレカット化(機械による刻み加工)によって、単なる欠点だらけの材料になり下がってしまっています。
現在、建物を建てる予定の地にも沢山の赤松が育っていた訳ですが、それをすべてタキモノなどにしてしまうのはしのびなく、できる限り使う方針で設計をしてみました。
と、図面を引くまでは簡単なのですが、いざ使うとなると、そうは問屋がおろしません。なにしろ一本一本曲がりが違う訳ですから、それらをうまく組み合わせ、納まるように工夫しなければなりません。
横に打つ水墨(基準となる線)も、二度三度と試行錯誤の上決めていきます。
こうして決めた墨にしたがって刻み、そして仮組。
ここで高さなどの最終チェックをしてようやく完成となるのです。
これだけ手間がかかる作業ですので、そう何本も簡単に採用とはいきませんが、そこに住む人が、その梁から、少しでも実際に育っている木を想像できるような建物にできれば、大工として喜ばしい限りです。
これまでのコメント
当たれ宝くじ!
かくいう私も築100年を過ぎた隙間風だらけの民家に借家住まい。
ようやく自分の住まいをと思い手をつけ始めましたが、いつ完成するのか見通しはまったくたっておりません(永遠に未完成かも・・・)。
決して我々施工者がぼろ儲けしているわけではないと思うのですが、なにしろ多くの人の手を経て造り上げていくものですので手間(費用)がかかってしまうのです。
世間では価格破壊などと称して安価を売り物にしているものを多々みかけますが、そのしくみ、からくりをよくよく確かめる必要があるように思います(私もよく引っかかってしまいますが)。
いつか…お願いします(>_<)
伊那の大工さんのブログを読んでいると
ぜひ家を建てていただきたい!
…そんな気持ちになります。でもでも…
宝くじが当たったら…お願いします(>_<)
コメントする