現役にこだわる
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先日、NHKの「プロフェッショナル」という番組で、サッカーの「カズ」こと三浦知良選手が取り上げられていました。
若い頃の彼の、派手なパフォーマンス、マスコミから伝わってくる言動など、サッカーのセンスは認めるものの、決して好きになれるタイプではありませんでした。
フランスW杯の選考から漏れた際も、もういい加減に過去の栄光にしがみつくのはやめたほうがいい、程度の冷めた目で見ていました。
その後、外国のクラブをはじめ、Jリーグの各チームを転々と移籍し続ける姿も、痛々しくさえ見えていたのです。
番組でも彼の華々しい過去を流し、Jリーグ2部チームでもレギュラーが危うい、現在の彼の様子を描いていました。
しかし、その中で語る彼の姿は、私が想像していたものとは全く違っていました。
「サッカーが好きだから現役を続けるし、自分を必要としていてくれる、クラブがある限りそのクラス(Jリーグの下部組織でもかまわないという意)はこだわらない。」
あれほど過去に光を浴びていた選手です。それが現在では自分の子供ほどの世代の選手とレギュラー争いを続けている。もしどこかに変なプライドがあったなら、とても耐えがたい心境のはずです。
多分、現役を引退していく多くの選手は、実際のプレーよりも、そんな状況に耐えきれず、去っていっているのではないかと想像できます。
それでも現役を続ける。
日々のトレーニングもとても42歳とは思えぬほど、ハードなものが描かれていました。
それに耐え、はじめて若い選手とのレギュラー争いに加われる。
そこには過去の栄光など全く関係ない、横一線での競争の世界。
それを繰り返す毎日。
肉体的なものだけでなく、精神力も含めタフでなければとても耐えきれるものではないでしょう。
「W杯選考から漏れて以降の人生が本当のサッカー人生」とさえ言っていました。
ひるがえって最近の自分。
低迷する長距離走の記録に、どこかで年齢を言い訳にあきらめていたフシがあるように思えます。
確かにそれで食べているプロとアマで意識が違うのは仕方がないのかもしれませんが、レースという同じ土俵に立てばそんな区別はありません。皆同じ条件です。
最近仕事が忙しいとか、寄る歳波がなどと言いわけするのは簡単なことです。
しかし、そんな逃げ場ばかりつくっていても、空しくなるのは自分だけです。
常にできる限りのベストを尽くす。
弱気になりつつあった自分に、心強い後押しをしてくれる番組でした。
現役を続ける「カズ」を励みに、今日も走ります。
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