手描き
カテゴリー:駒ヶ根市 M邸 タグ:
次の工事に向け見積作業が始まりました。
今回は設計士さんから依頼された仕事。ですので平面計画などについてはそちらに任せ、軸組計画からが主にこちらの担当です。
渡された平面図から梁組、寸法、架構方法などを検討し、それが実現可能か否か各断面の軸組図を描き再び考える。
おおよその架構はいままでの経験から頭の中で描くことはできるのですが、細部を詰めていくと、様々な齟齬が生じてきます。
それを現場での納まりを想像しながら描き直す。
その際、活躍するのが昔ながらのトレーシングペーパーとドラフター。
かつてはどこの設計事務所にも置かれていた道具のはずですが図面のほとんどがCAD化されている現在、場所ばかり取るそれらは隅で埃をかぶっているか、処分されてしまっていることが多いとききます。
斯く言う私のドラフターも造園設計をしている友人から譲り受けたもの。
CADくらい使いこなさなければと挑戦してはみるものの、その描き出す画一的な線にどうしても魅力が感じられず、今もこうして手描き一筋です(使いこなせぬ言い訳です!)。
手作業で図面を引くという行為は我々大工が材に墨つけする作業に極めて近く、仕上り、納まりをアーでもないこーでもないと頭を悩ますことはシンドいことながら、とてもワクワクする作業でもあります。
そんな楽しい行為の先に目指す仕上がりが待っていたとするならば、これを他に譲るはずがありません。
ただし、これは趣味ではありませんのでいつまでも時間をかけているわけにはいきません。
どこかでビシッと線引きをして区切りをつける必要があるのです。
実はこの線引きを決める作業こそが一番難しいところであり、その甘さこそが、常に「貧乏暇なし」を招いている元凶であることは明らかなのですが・・・。
これまでのコメント
Unknown
そうですね。おっしゃるとおりです。
しかし漢字を覚えるのに実際にペンを使って書いたものは忘れずらいように、
図面も自ら鉛筆を使って描いていると、墨付け時のミスも少なく、加えていいアイデアも浮かんでくるとなると、一概に効率が悪いとは言い切れないのです。
Unknown
人生に締め切りがある以上、趣味にも当然、締め切りはあります。
では仕事と趣味とでは何が違うのか。
私は予算だと思います。趣味は仕事と違って、採算を度外視できる。決して黒字にならないのが趣味。それでは許されないのが仕事ではないでしょうか。
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