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夕餉の頃の里の匂い

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日暮れの時刻がだいぶ遅くなってきました。

工場での下拵え作業に疲れ、ふと息抜きがてら外に出ると、様々な匂いが漂っているのに気づきます。

まずは夕餉の香り。
あ、おとなりはカレーだな。おっ我が家は肉じゃがか?・・・

それに混ざって風呂焚きの薪の匂い。
これも慣れてくるとほぼ樹種が特定できます。
おっ我が家は「サクラ」おごったねえ(広葉樹は貴重です)、お隣は定番の「カラマツ」だな、下の家はウン「スギ」だ。

毎日の事ですので、冬も匂っていたはずなのですが、寒さでそんな余裕がなかったのかもしれません。
こうして暖かくなってくると、そんな香りを嗅げるゆとりがでてくるのでしょうか。

冬はそれこそ生きていくのに精一杯(大げさな!)だったのが、春を迎えゆったりとした気持ちで様々なことが受け留められる。
展望のなかなか見えぬ未来ですが、なんとかなるだろう、なんとかなるさ、そんな楽観的な見方にもなれる季節です(現実逃避とも言う・・・)。

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夕餉の頃の里の匂い 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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