改修工事に学ぶ
カテゴリー:建築について思うことつれづれ タグ:
「どうも床がフワフワする」という相談を受け、先日来、浴室の改修工事に入っています。
前回のブログにも書いたように、予想通り、シロアリにやられていて、結局、土台、柱を取り替える大掛かりな工事になってしまいました。
こうしたケースは決して稀ではなく、ユニットバスでない浴室の場合、ほぼ100%そうなっていると断言してもいいくらいです(少なくとも私が携わった現場は全てそうでした)。
ですので、通常はユニットバスをお勧めしているのですが、やはり板・タイル張りといった昔ながらの浴室を希望される方もいらっしゃいます。
そんな場合、腐ることは覚悟してくださいと前置きした上で、二つの方法を提案しています。
ひとつは、建物本体と離して別棟としてしまう方法。これならば比較的容易に建て替えが可能です。
しかし、設計上そうした余裕がない場合には、浴室全体を防水してしまう(当然通気は確保した上で)方法を、前回の新築現場で採用してみました。
結果はすぐには出ないと思いますが、もし具合が良ければ、より工事の選択肢が広がり、より自由な設計が可能になります(無責任な自由はけっして自由とはいえません)。
そんなアイデアも、やはり今まで携わってきた改修工事から学んだことがベースになっています。
よく先輩大工が「改造工事は勉強になる。積極的にやっていけよ。そしてそれがこなせるようになってはじめて一人前だ」と言っていました。
とかく面倒で煩わしいことも多い改造工事ですが、自分の技術を高め、引き出しの数を増やすのには、またとないチャンスともいえ、ない知恵を絞りながら、そのたび問題と向き合う、そんな毎日です。