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新建材の行く末

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築50年を超える住宅の営繕に入っています。

これくらいの住宅ですと、新築当時そのままということはまずなく、こちらのお宅の場合も、途中、何度かの改装を経ていることがうかがえます。

ベースになっている外壁は、赤松の下見板なのですが、その上には、多分昭和40年代の頃から流行り始めたであろう、紙を圧縮し表面を塗装した外壁材(いわゆるサイディングのはしり)が、張られていました。

多分、張り上げた当時は、流行の最先端(?)をいく素材で、時代を象徴するものだったのでしょうが、40年近く経った現在では、だいぶ疲れが見え、失礼ながら決して見映えのするものとは言えなくなっていました。
一方、元々張られていた、松の下見板。年月によるそれなりの風化は見られたものの、それがかえって、良い味を醸し出し、魅力的なものになっていました。

当初は、予算なども考慮し、金属サイディングに張り替える予定だったのですが、この姿を見て、お施主さんにも了解してもらった上で、急遽、唐松の無垢板の外壁に変更させていただきました。

果たして、これからどれくらいこちらのお宅に住み続けていただけるのかはわかりませんが、何十年か後、年輪を感じさせる深みのあるものになっているならば、大工として嬉しい限りです。

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新建材の行く末 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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