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飛べ!

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先日、二人の若い(30歳前後)大工さんが我が家を訪ねてきてくれました。

二人とも大工の道に入って約8年。
県内中信地方の従業員大工を7人その他外注の請負大工を数組抱える工務店で、大工として働いているとのこと。
現在、それくらいの規模で経営されている工務店で、手刻みの仕事をしているところなどまずなく、プレカットされた材料の組み立て、建材の張り付けといった日常に、大工としてのやりがいを見出せず悶々とした日々を送り、独立を考えて相談に訪れてくれたのでした。

思い返せば15年前。
私もまったく同じような悩みを抱え、新聞や雑誌の記事で知った大工さんや設計事務所に押し掛け話を聞きに行っていました。
その時、今も懇意にしている設計屋さんから投げかけられた
「飛んじゃいな。飛ぶなら今しかないよ!」
その言葉に後押しされて、独立を決意したものでした(大して飲めもしないアルコールが入りすぎていたのかもしれません)。

当時に比べ、世の中の状態はけっして良くはなく、簡単に仕事が確保できるような状況ではないことは事実です。そんな時に独立を決意するというのはとても勇気のいることだろうと思います(お二人とも、第一子が生まれたばかりとお聞きしました)。

しかし、だからといってグズグズ煮え切らぬまま日々を過ごしていては、ストレスは溜まる一方で、精神衛生上けっして良いとは思えない。私だったら、一度しかない人生、悔いなく過ごすために「飛ぶよ!」と無責任なアドバイスを送ってしまいました。

出会った時は不安げであった二人の目が、帰り際には輝いていたのが印象的でしたが、
一方で、また悪の道に導いてしまったのかなという心配もなくはありません。

しかし、自分の人生ですから自ら切り開いていかねばその先はないのです。
「どうなってしまうのだろう?}ではなく「どうにかする。なんとかしていく。」そう日々思いながら生きていくしかないのです。

来年の見通しすらたたぬ私が、果たしてこんなアドバイスをできる資格などあるのだろうかとも思いますが、同じ道を目指すものとしてエールを送りたいと思います。

いささか肩に力が入りすぎました。
リラックスして脱力していた方が、実際には力が発揮できるものです。
どうか、あわてず、だけどチャンスは見逃さずチャレンジしてください。
自戒も込めて・・・。

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飛べ! 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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