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週末、千葉の実家に帰省していました。

金曜日の朝、父親(84)から「朝飯を作っていたかあちゃん(79)が倒れ動かない」と取り乱した涙声での電話が。

まずは救急に連絡してと伝えてみたものの、その口ぶりから伝わる状況を想像するに、最悪の事態も覚悟しなければならぬ様子。

かみさんとも話し合い、黒のスーツ持参で駆けつけることにしました。

伊那で暮らす弟とも合流し、担ぎ込まれた病院にたどり着いたのがその日の夕方。

緊急手術を終えたおふくろはなんんとか一命をとりとめていました。

診断は「大動脈解離」。

心臓から出た一番太い動脈の一部が剥がれ出血、そしてその破片が脳へ続くの頚動脈を閉塞させてしまっていたというもの。

執刀医によれば、まったく一刻の猶予もない状況で、とりあえず裂けてしまった動脈を人工動脈にとりかえる手術は成功(体を氷漬けにし血流を人工心臓経由にに切り替えての大手術だったとのこと)、しかし脳へのダメージは現時点ではわからないとの説明でした。

身動きもしない本人と対面したとき、このまま意識が戻るのは厳しいのだろうなと正直思いました。

そこに寄り添う親父も、まずはそのまま逝かずにいてくれたことに安堵するだけで、その先のことはとても考えられぬ様子でした。

 

翌日からどんな状況で帰って来てもかまわぬようにまずは実家の片付け。

傍目に見るとゴミ、ガラクタにしか見えぬ品々も、おふくろ本人にとっては思い出の宝物(らしい・・・)。

これがなくなると精気がなくなってしまうと訴えるその遺伝子を色濃く継いだ妹とバトルを繰り返しながら、冷徹に任務遂行。

とりあえず外から寝室までの動線を確保することができました。

 

最悪状態での帰還も覚悟していた肝心のおふくろですが、術後2日目に意識回復、3日目には歩行訓練、口からの食事ができるまでに回復したとのこと(新型コロナ対策で、面会者、時間が限定され私は報告を待つしかない・・・)。

脳へのダメージから認知機能などへの影響は未知数ながら、とりあえず帰還できる見通しがついてきました。

 

親父の報告によれば、救急車車内での救急隊員の対応は極めて機敏で、患者状況を診ながらの病院選択のやりとり、赤信号を躊躇するドライバーに対し「構わず突っ込め、急げ!」と叱咤する姿に感動したとのこと。

加えて、一刻の猶予もない困難な状況下での病院スタッフの迅速で適切な対応。

すべてがうまくかみ合って、いまこうして一人の人間の命がつなぎとめられています。

いままでこうした出来事は、ドキュメンタリー番組の中の想像の世界でしかありませんでしたが、こうして我が身になってみると、社会というのは沢山の人々によって支えられていて、やはり人間ひとりでは生きてはいけないのだとあらためて強く感じ、そうした現場に身を投じている方々に感謝してもしきれない思いが募りました。

本当にありがとうございました。

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感謝 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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