今の自分があるのは
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ネパール アンナプルナ北方地方で季節はずれの大雪によって多数の遭難者が出ているとのニュースが流れています。
今からちょうど26年前24歳の時、私もアンナプルナを巡る1ヶ月近いトレッキングをしていました(旅は半年)。
標高5,400mを越える峠(トロン・パス)があるルートですが、モンスーン期も終わっているこの時期は天候も安定し、真冬ほどの寒さにもならずトレッキングには最適期とされる時期であったはずです。
季節はずれのサイクロン襲来の影響であったようようですが、まさかそこまでの悪天候は予想しきれなかったのでしょう。
ネパールの中でもよりチベットに近いこの地域は、住む民族の顔立ちも我々に近いチベット系の人が多く、親近感を持ったものでした。
草木も生えぬような過酷な環境の中でも農業を営み暮らしている彼らは逞しく、当時まだ学生という身分を残し(休学)中途半端でヌクヌクとした立場のまま旅をしていた自分が、なんともひ弱で、情けなかったことを思い出します。
今思えばその時、「手に職を付け世界中どこへ行っても食いっぱぐれないようになりたい」と願ったことが、大工を目指した自分の原点であり、ネパールのこの地はそれを教えてくれた場所でもあるのです。
実際、農業だけでは暮らしていけぬ彼らにとって、観光客相手の商売は貴重な現金収入源のはず。
これくらいの出来事でめげるような人達ではないでしょうが、地球規模で気象異変が多発している昨今、我々旅人が、たとえトレッキングといえども自分の身は自分で守るの覚悟を持って彼の地を旅する必要があるのだろうと、自戒も込めて思います。
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