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手描きの行く末

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「えっいまだに」といわれそうですが、私はまだ手描きで図面をひいています。

CADが使えないと言われればそれまでですが、どうしてもやる気が起きないのです。
効率が良いのはわかります。データを残すのも様々な方法があります。訂正も簡単でしょう。
世の流れがそちらへいってしまうのは至極当然のことといえます。

しかし、その一見体裁の整った図面を見ても、設計者の思いが伝わってこないのです。作る意欲も湧いてこないのです。

何故なんでしょう。

ある風景を記録として残したいと思う時、写真を撮る方法、スケッチする方法、大きく分けて二つの方法があると思います。
正確さという点では、写真の方が多分上でしょう(それなりの技術は要すと思いますが)。
一方スケッチは上記の点では劣りますが、その人の思い、強調したいことが、より濃く現れてくるものと私は思います。

同じようなことが、CAD、手描きそれぞれの図面についてもいえるのではないか。
私はそう考えています。

建築図面ですから、やはり正確な寸法、納まりは要求されます。(納まらない図面も時にあり、施工者を泣かせますが・・・)
が、逆にいえば最低限それだけのものが揃っていれば、仕事をすることは可能な訳です。

そこで、施工者のやる気をくすぐるのにはどうしたらよいのか?

私は、機械的に描かれたCAD図面よりも、一本一本の線が生きた手描き図面にとてもそそられて(?)しまいます。
この思いをなんとか形にしてやろうという、気持が湧いてきます。

幸い、私の周りにはまだそういった気概をもって図面を引いている設計屋さんが、まだまだいてくれます。
私自身も、そういった仲間に倣って、拙いながらも描いています。
線を引いた時点で、もうモノづくりが始まっている。そんな気にさえしてくれるのです。

しかし、今日お世話になっているコピー屋さんで青焼きを依頼したところ、機械の故障のためすぐには対応できないと断られてしまいました。修理をするかどうかも今のところ未定とのこと。何しろ最近はほとんど青焼きの依頼もないので処分しようと考えているとのことでした。

白焼き(通常の普通紙コピー)であれば対応できるわけですので、そんなに嘆くものではないのかもしれませんが、手描きと青焼きがセットになってしまっている私にとっては一大事です。

手描き、青焼き・・・すべて過去のものとなってしまうのでしょうか。

手描きの行く末 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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