セルフビルドのすゝめ
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私の現場はお施主さん自ら家づくりに従事してもらう(セルフビルド)事が多々あります(ほとんど?)。
それによって少しでも経費を節約できるということもありますが、それ以上に新築時に手をかけたことによって、それ以降に必須となってくるメインテナンス(特に塗装)に対する抵抗感が和らげられるということがあります。
来る日も来る日も太陽や風雨にさらされている家の外装は年々少しづつ傷んでいきます。
近年はメインテナンスフリーを謳った外装材も開発されてはおりますが、よくよく調べてみるとシーリング処理(防水)部分はありますし(数年に一度は再処理が必要)、経年変化がいかほどのものなのか、その年数がいまだ経っていない現在、本当のところは誰にもわかりません。
一方、木や漆喰といった自然素材はそれこそ何百年という歴史があり、その経年変化具合はほぼ解明されているいっていいでしょう。
仲間の大工たちの中には、この経年変化が味なのだから、全くの無塗装を勧めるという者もおりますが(何十年も経てば結局同じ?)、私、個人としてはその味が出てくまでの過程でみすぼらしくなってしまう(あくまで私見)ため、風化具合に応じた塗装(徐々に色を濃くしていく)をして、その経時変化を楽しむ事をお勧めしています。
塗装はできれば2~3年に一度くらいのペースで行うのがベストで、このくらいの間隔ですと、塗装の手間がかからぬだけでなく(以前の塗装があるため塗料の伸びが良い)、外壁の不具合(雨漏り跡やクラックなど)等も、致命的なことになる前に発見できる可能性も高くなります。
しかしこの塗装をすべて業者まかせにしていたのでは、その費用もバカになりません。
ましてや2~3年に一度となるとなかなか気軽に頼むわけにはいかないでしょう。
だったらそこを自ら行ってしまえばその費用を節約できる上、同時に家のチェックもできる一石二鳥の「セルフビルドのすゝめ」なのです。
(実際は家の形状によって、足場など必要になってくる場合もあるのですが、私自身が設計する場合は塗装回数も多くなる板壁等は脚立程度で済む高さまでとして、他はメインテナンス間隔の長い塗り壁とする等、できるだけ工夫をしています。)