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独立したての20年近く前、住宅の改修を依頼された方から再び仕事を頼まれました。

当時、お施主さんは旧い民家を借りて陶芸をしておられたのですが、ご高齢になり娘さんの住む松本へ移住。ついては思い出の作品とそれを飾っていた棚も一緒に移設できないかとのご相談でした。

こちらの棚は私が施工したものではなかったのですが、知り合いの山師の方がわけてくださった日本栂が使われているお施主さんにとっては思い出の品。
永年の使用によって反り捻じれなども生じ、果たして上手く再生させることができるだろうか不安はいっぱいでしたがお引き受けしました。

6尺スパンを飛ばし、重量のある物を背負っていた板は案の定、垂れと捻じれが生じていました。
通常でしたら手押しカンナなどを使いムラ取りをするところなのですが、それをしたら板の厚みが無くなってしまいます。
思案の末、板の下に幕板を取り付けてみたところ垂れも戻り、捻れもある程度矯正させられることがわかり、方針決定。
なんとか以前の姿を残しつつ再生させることができました。

新しい住まいになり、以前の風景とガラリ変わってしまった生活に戸惑いを覚えていたお施主さんも、再び思い出の品々に囲まれた生活を取り戻すことができるととても喜んでくださいました。

こんなお施主さんの笑顔は職人として何よりの励みになります。
どうか末長くお使いください。

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納品 大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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