建築工房 富澤

大工を生業として25年。趣味の長距離走、渓流魚との戯れなど日々の思いを綴ってみます。

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思うこと

     2019/05/02

 

今回の台風そして立て続けの北海道での地震の被害に遭われた方にあらためてお見舞い申し上げます。

台風については、ここ信州でも方々で屋根が飛ばされる、倒木による被害などもあり、年配の方々のなかには伊勢湾台風以来の強風だったといわれる方もおられるくらいでした。

私が携わってきた現場でも今まで雨漏り被害の報告のなかったお宅で、今回の強風によって壁面から雨が吹き上げ室内まで滲みてしまったところがありました。

独立当初の頃の現場が主だったのですが、当時は透湿防水紙などのフィルムは使っていたものの、気密防水テープなどは使用しておらず(まだ一般していなかった)、外部に突き出した梁や、外壁板の隙間から差した雨水が風圧によって浸入してしまったと思われます。

軒の出も深くとっておき、壁チリジャクリなどの処置はしておりましたので、通常の風雨であれば防ぐことができてきたはずなのですが、今回の暴風にはかないませんでした。

数年に一回程度の風雨には雨漏りの可能性はあるかもしれませんと建築時には説明してきたつもりですが、ここのところの毎年のように当時想定していた最大級の風雨に曝されている感があります。

ですので、ここ10年ほどは下地の段階から気密、防水には念を入れ、真横からの風雨にも対応できるだけの処置を施すようにしています(それ以前に携わらせていただいたお宅も、できうる限りのフォローは続けていきます)。

 

耐震についてもしかり。

金物の緊結に頼らずとも、木組みとコミセン、クサビといった昔ながらの部材を駆使し耐震性能を確保していくことをモットーとして施工してきました。

その基本スタンスは今でも変えてはおりませんが、ここのところ続く各地での震度7を超える揺れ、そしてそれが数日のうちに複数回襲ってくる現実は、より安全側の建物を建てていくことが、我々に課せられた責務だと考え直すことになりました。

 

日常生活の快適性を維持するために、無垢の木材を室内空間にふんだんに使いつつも、躯体内部の目に付かぬところでは耐震、気密、断熱、防水性能を確保していく。

伝統的な建物のスタイルを支持する方からしてみれば、まがい物と揶揄されそうですが、私に依頼してくださった方が路頭に迷うことなく気持ちよく暮らし続けてくれることが一番ですから、このスタンスを崩さず、より丈夫で快適な建物を目指して、これからも試行錯誤を続けていくつもりです。

 

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