先人の知恵
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我が家は築100年を越える民家を借りて住んでいます。
そう聞くと、黒光りする大黒柱や広々とした土間などを想像されるでしょうが、現実は埃とススだらけ、柱も傾いた、今にも崩壊しそうな建物です(紺屋の白袴!)。
昨日、前からかみさんに言われていた、開かずの間(上下座敷・・・物置と化している)の外部に面した建具をアルミサッシ(当然中古)に取り替える工事をしました(なにしろ雨戸と障子だけですので冬は外部と気温差がありません)。
そこで発見したのが写真にある木製の戸車でした。
通常、これだけ年数が経っていると(多分雨戸は50年くらい)ほとんど、錆ついて動かないものなのですが、片手でコロコロと音をたてて走っていってくれます。
もうこれは驚きでした。
車が木製のため、敷居の減りもなく、これまた具合がいいのです。
果たして先人がそんな先まで見越してこんな仕事をしたのか、単に金物を使うことをケチっただけなのか、今となってはわかりませんが、こうして長い年数を経たいまでも立派に動いていることは事実です。
自分が今、行っている仕事はこの先、この戸車のように評価されるのか、あらためて考えさせられる発見でした。
はじめはすべて雨戸を撤去してしまう予定でしたが、あまりにももったいないので、急遽、計画を変更し、一部を残すことにしました。
次の世代の大工が見たら、一部サッシに取り替えてあることを残念がるのでしょうなあ。
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