民家改修
現在、高遠町旧三義村の旧い民家の水周り改修工事に入っています。
元の建物はいつ頃建てられたものか不明ですが、柱、梁などは製材ではなくすべて手斧ではつり出していますので、おそらく大正、明治の頃のものだろうとと推測できます。
柱、梁、土台などに栗などを用い、サイズもすべて大きめ(5寸~6寸角以上)ですので上物はしっかりとしているのですが、多くの旧い建物の例に漏れず、基礎部分にあたる土台石の不陸(水平度)が悪く、それによって建物の傾きが大きくなってしまっています。
文化財のような民家の改修でしたら、一度ジャッキアップして、新たに基礎を打ち直すということもできるのでしょうが、そんなことをすれば新築より費用はかかってしまいます。
通常の場合、現況と折り合いをつける形で、普段使いに支障のない範囲で納まりをつけていく工事になります。
今回の場合も10尺(3M)の柱の上と下で最大10cmあまりの傾きが生じていましたので、それをいかに吸収していくかが、工事の核心部分となっています。
現状の躯体はそのままに、新たに建てる部材の下地材として利用し、水平・垂直・矩手を作り出す。
言葉で書いてしまえば簡単なことですが、実際の作業には様々な困難が待ち受けています。
とりあえず使う予定のない壁材などは引き剥がしました。
さて、どこを基準に面をつくりだすか。
知恵を絞り出す作業が続きます。
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