試されている
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岩波ブックレット「知られざる原発被曝労働-ある青年の死を追って-」(1996 藤田佑幸著)を一気に読み終えてしましました。
これは浜岡原発で下請け作業員として働いているさなか、慢性骨髄性白血病を発症し29歳という若さで生涯を閉じてしまった青年の作業実態を明らかにしたものです。
これを読むと原発というものがいかに多くの人間の命と引き換えに成立しているのかとうことがわかります。
通常運転の状態でこうなのですから、多分事故継続中の福島原発での状況はいかなるものなのか(作業員の限界被曝線量も通常の2.5倍の250ミリシーベルト/年に引き上げられ、よりリスクの高い状況下での作業が続いているはずです)・・・。
お恥ずかしながら、今まで不勉強だった私は、こんなにまで原子力というエネルギーにリスクがあるものだということを知りませんでした。
多くの被曝労働者の犠牲のもと成り立っている原発。
果たしてそんなことが許されていいものなのか(多分、それを推進されている学者などはそんな過酷な環境には身を置かないのでしょうが・・・)。
誰もが今の生活と引き換えに原発はいらないと言い切れるのかと問われれば躊躇されることでしょう。私も言いきれる自信はありません。
しかし、もし私達の生活の見直しと他のエネルギーへのシフトによって、脱原発が可能になるのだとしたら、やはりそうしていくべきでしょう。
その意味では、この夏の電力需要を賄いきれるか否かは、我々の将来を決定づけるといってもいいのではないでしょうか。
私たちの叡智が試されているのです。
これまでのコメント
Unknown
ブログを拝見しました。
なるほど、と思いました。
私も原発の廃棄物処理のように、技術的にどうしようもないのなら、原発に手を出してはいけないという意見には賛成です。
個人的には、原発を全廃して、風力や太陽電池などの自然エネルギーで代替すべきと思います。そのために電気代が値上がりしても仕方がないのではないでしょうか。
追伸
興味深いブログを紹介しておきます。
http://takedanet.com/2011/04/post_e068.html
この武田邦彦氏。本当はどんな方なのかわかりませんが、発言している事はきわめて的を得ているように思います。
Unknown
原発問題は、それが仮に安全に働いていたとしても、何万年という単位で管理し続けていかねばならない廃棄物が確実にでてきてしまうこと。
そして今回の様に一度事故がおきてしまうと、とても我々には管理しきれない状態に陥ってしまうこと。
やはりそこが解決できるまでは手を出すべきではない、私はそう思います。
人類の欲を否定するつもりはありません。批判を恐れずに言えば、様々な問題点はあるにせよ、それによって今の快適な生活を得ることことができてきたのですから。
しかしそれを得るための手段が取り返しのつかぬような危険性を孕んでいることがわかったとしたなら、やはり立ち止って考え直していく必要があると、私は思います。
Unknown
原発もそうだけれど、ある意味、自動車も似たようなところがあると思います。毎年、確実に多くの犠牲者があり、道路や廃ガスで環境に負荷をかけて、貴重な化石燃料を永久に消し去っています。水力発電で電車を走らせ、車の代わりに馬車に乗れば、持続可能な生活は可能ですが、どうあっても日本人はそっちには行かないのだと思います。
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