普段はもっぱらNHK第一を仕事の友として聴いているのですが、この時期の高校野球中継は暑さが倍増するため敬遠し、民放FMを選局しているのですが・・・。

土曜午後、大手ファストフード店「マ○ドナルド」のCMでのくだり。

「子供との触れ合いの時間を大切にするために、これを選択しました！♪「チャラ・チャッチャラー♪　」
（一度聴いただけですので、細部はうろ覚え・・・）

要は食事にかける手間を少しでも減らし、その分を、別のことに使いませんか。
それには我が社の製品は最適ですよとのこと。

聴いた瞬間は、何かもっと深い意味があって逆説的な言い回しをしているのかと耳を疑いましたが、どうやらそんなことはないようです。
生き物にとって一番大切な「食」をこれまで軽んじ、それを堂々とCMで流す。
所詮、ファストフード店のCMと言ってしまえばそれまでですが、さすがにここまで開き直ったものは今まではなかったように思います。

「食」にかける手間というのはそんなに無駄で不必要なものなのでしょうか？
家事、特に食事の用意などまずしない私に、そんなことを言える資格はないのかもしれませんが、少なくともそれによって家族同士のふれあいは確実に生まれるであろうことは想像できます。そしてそれはどんな遊びよりも大切なものだと考えています。

我田引水になり論理の飛躍も甚だしいと批判を受けるのを承知で言わせてもらえば、
もしかしたら私が生業としている「家造り」においても同じような傾向があるのかもしれません。

大手ハウスメーカーなどが標榜する「手間をかけずわずか１ヶ月での家造り」などその典型でしょう。
現場で仕事をしている職人はただマニュアル通りに作業し、工期の短縮のみを追い続ける。そこに愛着など求めることなど無理というものです。

求める側（お施主さん）が、それを第一とするならば仕方がないのでしょうが、少なくとも私はそれを追い求めることはしない（できない？）、そんなことをあらためて確信したラジオCMでした。